環境教育指導者はこう考える!「外来種は本当に悪者か」フレッド・ピアス

管理人NORI

どうも、NORIです。

今日はフレッド・ピアスの「外来種は本当に悪者か?」についてのブックレビューです。

文庫 外来種は本当に悪者か?: 新しい野生 THE NEW WILD (草思社文庫)

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環境教育をしている管理人もこの本は勿論購入しました。

最初に申し上げると、この本は非常に勉強になります。

特にテレビでよくある「池の水を抜いて外来生物を駆除する番組」が好きな人や、外来生物=悪と考えがちな人におすすめです。

本書の内容

本書は、自然保護活動にて外来種を無条件に悪と決めつけて排除している事に疑問を呈しています。

そして単純に在来種は善、外来種は悪と二分法に縛られない新しい環境保護とは何であるかという考察をしていく本です。

 

これまでジャーナリストとして環境問題について世界各国で取材をしてきたピアス。

冒頭のアセンション島の例から始まり様々な地域の膨大な数の実例を紹介しています。

生態系は常に外来種が入っており変化しており新しい野生を形成しているというのがピアスの主張です。

もはや手つかずの「自然」なんてない

注意
ピアスは、「手つかずの自然」なんてないと断言しています。

衝撃的な言葉ではありますが、これは紛れもない真実です。

 

例えば、アマゾンの熱帯雨林。

アマゾン川の熱帯雨林は原生林であると信じられていますが、これは信じ込まされていた「神話」です。

 

実はスペインの侵略者が来る前から交易や農業が盛んに行われていた事が考古学の調査で明らかになっています。

つまり、原生林と信じて疑わないアマゾンはかつては都市とその郊外だったというのです。

 

こういった事例は日本にも該当するでしょう。

日本でも北海道には手つかずの自然が残っていると他県や道民さえも思っています。

しかし、実際は開墾などで人間が作ってきた風景に過ぎません。

 

エゾオオカミは居なくなり、本来北海道にいないはずのカブトムシが樹林を飛び回る。

川にはニジマス、沼にはアカミミガメが生息し野原にはシロツメクサが咲き誇っている。

 

もはやかつての自然は遠くにあり、今かつていなかった生物たちが野生として生きているのです。

在来種、外来種のこだわりを超えて考える。

日本全国に視野を転じて考えれば、ある意味在来種の方が大きな問題だと言えます。

例えば本州にいる二ホンイノシシが近年、北上を続けそれまでいなかった東北地域にまで進出をしており大きな問題です。

 

北海道でも度々問題になるエゾシカも北海道の固定種ですが、農作物への被害や人間に危害を加える問題が度々起きます。

つまり、もはや在来種や固定種の区分はある意味では意味を成さないと私は思うのです。

 

勿論、外来種が増え続けてもいいという訳ではありません。

しかし、今後も気候変動や開発、環境汚染を続けていくのであれば、新しい生態系を問題視するというよりも受け入れる受容性を持った方がいいのではと感じます。

批判も多い本書だが

話を他の方々の書評に移します。

この本は従来の環境保護を否定する刺激的な内容です。

 

そのため生態学を学んでいるという方と思わしき方からかなりの批判をされています。

例えば、遺伝資源の問題です。

 

ある地域で固有種が絶滅して外来種が増加したとします。

その地域では生態系が地球全体で考えればその種が絶滅したことになるので人類への大きな損害になります。

 

つまり、ニューワイルドが生まれたとしてもその種が絶滅すれば人類に不利益を被るという批判です。

世界各国がなぜ「生物の多様性」を保護するのかと言うと人類が持続的に利用していくという考えの下行われています。

つまり各国が希少生物を保護し固定種を守るのも未来の人類が利用していくために必要であるという事です。

 

この批判も間違いではないと感じます。

いずれにしても、単純に外来種=悪と言うように安易に考えてはいけない問題です。

 

そして、固定種を保全していく為の活動はすべて賛同という単純化して物事を考えるのは危険でしょう。

費用対効果、持続的な保護活動、外来種への理解、外来種がその地域に根付いた理由など考えていく上でこの本は勉強になります。

 

管理人NORI

いかがでしょうか。

巻末の参考文献や外来種の事例などが詳細に載っているので生態学とは生物保護とは何かと考えている人は一読をお勧めします。

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